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糀屋三左衛門が麹化コーヒーを商品化

麹でフェアトレード・SDGs、種麹メーカーがローグレードコーヒーの市場価値を高める商品を開発中

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 日本独自の食文化である麹でローグレードコーヒーの市場価値を高められるかもしれないー。愛知県豊橋市の老舗種麹メーカー「糀屋三左衛門」と同市在住の嗜好品プランナー青山祥さん(28)さんがタッグを組み、黒麹菌でコーヒー豆を麹化した黒麹コーヒーの商品化を進めている。安価に取引されてきたコーヒー豆をフェアトレードで仕入れることで持続可能な社会の実現を目指す。

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 コーヒーの麹化は、糀屋三左衛門が取り組む新しい発酵食文化の創造探究プロジェクト「KOJI THE KITCHEN」の一環で行う。昨年11月に青山さんが麹の新しい楽しみ方として提案した。

 黒麹コーヒーで使う豆はインドネシア産マンデリン。ローグレードではないが、麹化前と後の変化が分かりやすい。その生豆を72時間かけて黒麹菌で麹化した。黒麹菌は生育過程でクエン酸などの酸を出す特徴があり、もともと酸味が少ないとされているこの豆に酸味を付けることに成功。土臭さも消え、独特の甘い香りも出た。抽出したコーヒーは紅茶のような薄い茶色で、見た目、香り、味で変化が顕著に現れた。

右が麹化したコーヒー

 

 3月8日には、豊橋市駅前大通2の複合施設「エムキャンパス」で試飲会を実施。麹化前後のコーヒーを飲み比べた参加者からは「甘い香りがする」「味がすごくさっぱりしている」など、変化に驚きの声が上がった。

 今後は、ローグレードコーヒーの麹化も視野に入れる。ローグレードコーヒーとは、大きく4つに分けられるコーヒー豆のグレードの中でも評価が低く、低価格で手に入る大量流通のもの。麹化によって、フレーバーが加わり、特徴の少ないローグレードのコーヒー豆に個性を与えられる。さらにコーヒー豆と麹菌の種類が違えば、フレーバーも変化するため、多様なコーヒーが生まれる期待がある。

 また、麹化する過程で、カフェインが取り除かれる可能性が高いと言う。健康志向が高まる中で、コーヒーに含まれるカフェイン摂取を気にする人も増えており、麹が持つ健康効果を含めて、成分分析を進め、新しい可能性を模索している。 

 青山さんは「加工方法を変えることで美味しく飲んでもらえる。ローグレードでも高い値段で取引できるようになる。そこの循環もつくれたらと思っています」と述べた。

麹化したコーヒーの生豆を手にする村井社長(右)と青山さん

 

 今後、客のニーズを把握しながら、味を調整し、年内の商品化を目指す。村井社長は「日本の発酵という食文化を基にした新しいコーヒーの飲み方のスタイル、日本発の麹によるコーヒーの文化が生まれるかもしれない」と期待を込めて話した。

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