渥美半島の四つ葉のクローバーが化粧品の原料に、岐阜県のメーカーが開発
伊良湖発祥の四つ葉のクローバーが届ける
新たな幸せのお裾分け
岐阜県のメーカーがエキスを開発
田原市の「伊良湖発祥しあわせクローバー」から、化粧品の原料となる“幸せ”を生む四つ葉のクローバーエキスを岐阜県のメーカーが開発しました。市内で展開されている「幸せの四つ葉プロジェクト」に共感し、研究を進めていました。今後、化粧品としての商品化やプロジェクトの知名度向上が期待されています。
同市伊良湖町には、四つ葉だけでなく、五つ葉、六つ葉も生えるシロツメクサ(クローバー)の株があり、市内ではしあわせクローバーを活用したまちおこしが行われています。
田原の研究家やプロジェクトとの出会いで開発加速
四つ葉のクローバーエキスを開発したのは、岐阜県本巣市の化粧品原料開発メーカー一丸ファルコス。植物を使ったものを得意としています。
「幸福」「幸運」の意味で“ハッピークローバー”として世界的に知られる四つ葉のクローバーからの原料開発構想を温めていたところ、4年前、田原市の四つ葉のクローバー研究家の存在や、まちづくり会社「あつまるタウン田原」が主導する幸せの四つ葉プロジェクトを知り、同社などと連携し、化粧品原料の製品化を目指していました。
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ハッピーホルモンを促す四つ葉のクローバーエキス
誕生した四つ葉のクローバーエキスは「ハピクロ」と名付け、登録商標しました。免疫力向上などにつながる「ハッピーホルモン」とも呼ばれるβ―エンドルフィン、皮膚の弾力性などに関係するエラスチンなどの産出を促す作用が確認されており、口角アップや頬のリフトアップが期待できる“幸せ”の化粧品原料になります。
SDGsにも貢献
幸せの四つ葉プロジェクトは、四つ葉のクローバーを生かし、新たな観光資源の創出、障害者の就労支援などを目的としています。障害者らは、四つ葉のクローバーの栽培などをしています。
このため、四つ葉のクローバーエキスの生産には、障害者施設で作られる四つ葉を使用しています。それも不用部位を使い、環境に配慮しています。社会福祉支援、環境に優しいなどから、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)にも貢献します。
一丸ファルコスは、化粧品原料としてPRする際にはノベルティに施設の製品を使ったり、プロジェクトを紹介したりするなど、今後も手を携えていくとのことです。
5月下旬に横浜の展示会で発表
開発にあたり、同社は「コロナ禍のこんな時だからこそ、笑顔になってほしい。そんな思いを製品(ハピクロ)に込めました」と言います。
横浜市で5月下旬に開催された第10回化粧品産業技術展で発表したところ、来場者から好印象だったそうです。
期待が高まる化粧品としての商品化
開発担当の田中清隆さんは「化粧品の原料は、効果はもちろん、イメージも大切。年内に化粧品として市場に出てくる可能性はあります」と期待を込めて話しています。
田原市の四つ葉のクローバー研究家、折戸裕美さんは「新たな媒体にのって、たくさんの人に幸せが届くとうれしいです」と話し、さらなる幸せのおすそ分けの実現を心待ちにしています。