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伊良湖岬の恋路ヶ浜へ届け、渥美ビューローが3年ぶりに“遠き島”石垣島からヤシの実を流す

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 愛知県田原市の伊良湖岬・恋路ヶ浜が舞台となった島崎藤村の叙情詩「椰子(やし)の実」の再現を目指し、渥美半島観光ビューローの一行が3年ぶりに沖縄県石垣島を訪れ、6月2日、島の沖合からヤシの実50個を黒潮に流しました。
 例年、観光ビューローの一行が石垣島を訪れて投流していますが、新型コロナウイルス禍のため過去2年間、訪問を取りやめていました。この2年は規模を縮小し、石垣市観光交流協会の協力を得て、流していました。

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「恋路ヶ浜に届け!」の願いを込め、石垣島沖の黒潮に投げられるヤシの実=渥美半島観光ビューロー提供

石垣島と伊良湖岬は1600㌔

♪名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ♪

 詩の一節に登場する「遠き島」を石垣島に見立て、約1600㌔離れた恋路ヶ浜に流れ着くことを願い、旧渥美町観光協会が1988(昭和63)年、まちおこしで始めました。以来、「愛のココナッツ・メッセージ」と銘打ち、ロマンあふれるヤシ実流しが続いています。
 今年で35回目となりました。島崎が1900年に詩「椰子の実」を発表してから122年が経ちます。

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 観光ビューローの石黒功会長、名誉会長の山下政良田原市長ら一行14人は6月2日午後、石垣島に到着。石垣市の観光関係者も加わり、すぐに船で沖合に向かいました。一行によると、天候に恵まれ、「今年こそは恋路ヶ浜に」の願いを込めてヤシの実を投げ入れたそうです。

石垣島の沖合、コバルトブルーの海に浮かぶヤシの実=同

 流したヤシの実には、連絡先などが記された金属製プレートが取り付けられています。国内で拾われると、拾った人と持ち主が抽選でペア2組が伊良湖岬に招待され対面、新たな出会いが生まれます。

交流が続く石垣と田原

 石垣市と田原市の住民は、このヤシの実流しで交流が続いています。今回、田原からヤシの実流しが始まった当初の頃から参加している人たちも訪れ、石垣の友人と3年ぶりの再会を喜び合ったそうです。
 「長い歴史がつないでくれたご縁で、石垣の人たちから温かい歓迎を受けました」。石黒会長も実感を込めながら話していました。

伊良湖岬・恋路ヶ浜まであと一歩

 ヤシの実流しでは、これまでに約3700個が流され、田原市内には2001(平成13)年に1個、12年に3個の計4個が流れ着きましたが、恋路ヶ浜にはあと少しのところで到着していません。
 今から1~2カ月後、伊良湖岬・恋路ヶ浜を訪れ、ヤシの実を探してみてはいかがでしょう。

 

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