1. HOME
  2. 暮らしとひと
  3. 建物の終わり方を考えるアートイベント「おみおくり会」水上ビルで開催
暮らしとひと
水上ビルでおみおくり会

建物の終わり方を考えるアートイベント「おみおくり会」水上ビルで開催

暮らしとひと

 取り壊された建物の資材を使い、ウクレレを制作する美術家・伊達伸明さん(大阪府在住)の作品を展示するイベント「おみおくり会」が9月3日から3日間、豊橋市駅前大通3の通称・水上ビルにあるビジターセンター「みずのうえ」で開かれる。水上ビルも“終わりを迎える”ことが決まっている場所で、イベントを通じて「建物の見送り方」について考える。

スポンサーリンク

イベントで展示するウクレレ

 伊達さんは、取り壊される病院や学校、一般住宅など約80件でウクレレを制作。積み重ねられてきた痕跡をウクレレに落とし込み、過去の記憶を残す活動を続けている。大阪府豊中市の市立市民会館や大阪大学の宿舎が解体される際には、建物を「お見送り」するアートプロジェクトも企画。紡がれてきた時間や人々の息づかいを感じる生活の痕を残すことで、建物の記憶を継承する。

 「いつかここも見送られる商店街になり、ぼくも水上ビルを出ないといけない。建物の歴史や起こった出来事が形を変えて、過去を大切にする手段として伊達さんの活動を紹介できたらと思います」と話すのは、このイベントを主催し、水上ビルにアトリエ兼住居「冷や水」を構える舞台映像作家の山田晋平さん(42)。 

 昭和40年代に牟呂用水の上に建てられた水上ビルは、東西およそ800メートルにわたるコンクリートで造られたビル群。現行制度では建て替えが難しく、建物の寿命に向けてゆっくり歩みを進める「見送り方」を意識せざるを得ない場所。

 今回展示するウクレレは、江南市で2019年に閉店した和菓子屋の依頼で制作され、住人が触れ続け塗装が剥げた包装台や使い古された焼印、型など、住人たちの生活の痕を感じる1本。会場では、住人らに引き渡された時の様子も映像で紹介するほか、伊達さんのこれまでの活動が分かるパネルも展示する。

 作品展示 
 日時 2021年9月3~5日 各日午前10時~午後6時
 場所 水上ビルB-2棟 みずのうえ2階(大豊組合会議室)
 料金 入場無料

 

 和菓子屋で使われていた道具などを愛でながら「お茶会」も開催。伊達さんから建物のお見送りに関する話が聞ける。

 

 お茶会 
 日時 2021年9月4、5日 両日とも午前11時と午後2時
 場所 冷や水(水上ビルA-2棟) 
 料金 300円(抹茶、和菓子付き)
 定員 8人(当日先着順)  開始30分前に整理券を配布。

 

 関連イベントとして、4日午後7時から「建築物のウクレレ化×とよとよダンス」も実施。伊達さんが演奏するウクレレに合わせ、ダンサーの砂連尾理さんがダンスパフォーマンスを披露する。伊達さんと山田さんによるトークも聞ける。

 

 「建築物のウクレレ化×とよとよダンス」 
 日時 2021年9月4日午後7時~同8時半
 場所 水上ビルB-2棟 みずのうえ3階(大豊組合集会所)
 料金 500円(ワンドリンク付き)
 定員 40人(事前申込み制) 定員にあきがある場合は開始30分前に整理券を配布。

 問合せは青空(aozora.hiyamizu@gmail.com)へ。

 

休耕地ハッピープロジェクト