豊橋市と大学生らが空き家をリノベーション、まちなかの活性化目指す
豊橋市は、空き家対策の一環としてリノベーションに取り組んでいる。11月7日には、まちづくりに関心のある市民や学生たちが、豊橋駅近くで閉店した店舗の再生を目指して店内を片付けた。
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駅前の各自治会や商店街、企業などからなる「豊橋駅前大通地区まちなみデザイン会議」と市が行う「豊橋リノベーションまちづくり推進事業」。リノベーションへの関心を高め、まちの活性化を目指すため、昨年度からスタートした。
今年度と来年度の2カ年に渡り、豊橋市駅前大通1の金券ショップ「中部コイン」などを活用しながら、参加者がリノベーションについて学ぶ。中部コインは、築59年の補強コンクリートブロック造3階建のビル(約50平方㍍)で、今後の活用については来年度、ワークショップを開き、アイデアを募る。
先月末と7日の2回行われた掃除には、市職員や近隣住人、愛知大学と豊橋技術科学大学の学生ら約30人が参加。30年以上営業してきた店内には、金庫や棚、電化製品などが残る。中には、物件を所有する櫻田純一さん(55)も知らない昔の大きな壁面看板もあり、参加者はリサイクルするための分別や荷物の運び出しに汗を流した。
櫻田さんは、自身所有の物件や高齢者の物件を買い取り、空き家再生に取り組んでいるが、新たな発想を求めて事業に協力。「まちづくりに役立ててほしい。どんな活用アイデアが出るのか楽しみです」と話す。
デザイン会議の常務理事を務める黒野有一郎さんは「リノベーションし、エリアや建物の価値を高めることで、シャッターを下ろしたままになっている他の店の大家の意識も変わるかもしれない」と期待している。