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高校生がプロと創る演劇「ミライハ」

高校生がプロと創る演劇「ミライハ」プラットで上演

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 11月6日に愛知県豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場プラットで「高校生と創る演劇」の幕が上がる。第8弾となる今作「ミライハ」は、岸田國士戯曲賞受賞の劇作家松原俊太郎さんが公募で選ばれた高校生キャストへ個別にインタビューして書き下ろした。どう転ぶか分からない未来を、あらゆる可能性を秘めた高校生たちがマスク姿で体現する。

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 「ミライハ」というタイトルは、20世紀初頭にイタリアで起こった芸術運動「未来派」と、高校生の「未来は…」を掛け合わせた。DVやジェンダー、国籍などの社会問題、生活する中での些細な気づきなどを題材にした10のエピソードが短編小説のように紡がれ、それぞれで高校生キャストが主人公を演じる。

 今回、演出を担当するのは、中澤陽さんと小野彩加さんからなる「スペースノットブランク」。高校生との演劇作りは初めてだが、「高校生ということは意識せずに、俳優とやる時のような普段のクリエーションをみんなと共有できたらと思っています。対話をしながら、一緒に作品に対してアプローチしていくために高校生たち自身で考えて進めてもらっています」と中澤さん。

演出を務めるスペースノットブランクの中澤陽さん(左)と小野彩加さん

 本番を目前に控えた11月3日夜のリハーサルでは、中澤さんからセリフのテンポや間など細かい部分で「提案」が行われた。今作は言葉だけでなく、身振りや所作も重要な役割を担うため、ダンサーとしても活動する小野さんからは、腕の動かし方についても細かな助言があり、「品質を整える」作業に熱が入っていた。

稽古を重ねる高校生キャストら

 新たな取り組みとして、会場となるアートスペースの客席と舞台を反転。階段状の客席に凹凸のある舞台が出現した。さらに、舞台上部の見える位置に音響ブースを設けたり、両サイドの大きな空気砲を鳴らすスタッフの姿が見えたりと、観客の意識が向かう先を多面的に配置し、実験的な舞台芸術の在り方に挑戦している。

 キャストたちは新型コロナウイルス感染予防のため、9月中はオンライン上で発声練習や筋トレ方法を共有しながら、自主稽古に励んできた。本格的な稽古は40日間ほど。演技経験のない愛知県立時習館高校1年の古田英さん(16)は「全力で楽しみたい。私は演劇で培ってきたものがないので、自分からお客さんに与えられるものは少ないと思います。まず自分自身が楽しんで、楽しい気持ちをちょっとでもお客さんと共有できたらいいなと思っています」と笑顔で語った。

 キャストのほか、高校生6人が大道具や照明、音響などでスタッフとして参加する。私立滝高校2年の片山史博さん(17)=名古屋市=が手がけた曲は「見えそうで見えない、掴みきれない未来のイメージを音楽に投影しました」と話し、シンセサイザーの生演奏でも舞台を盛り上げる。

 「高校生と創る演劇」は、プラットが芸術文化の人材育成などを目的に2014年から実施する。

 「ミライハ」は4回公演で、開演は6日が午後1時と同6時、7日が午後1時と同5時。すべての回で、スペースノットブランクと高校生キャスト・スタッフによるアフタートークを実施する。チケットは一般2000円、25歳以下1000円、高校生以下500円。当日券は午前10時からプラットチケットセンター窓口にて販売、同11時より電話にて予約受付、各回開演1時間前からはアートスペース受付にて販売する。支払は現金のみ。


 詳しくはプラットHPへ

 

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